再犯の可能性

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法務省が作成する平成22年度版犯罪白書によると、平成21年の統計では、殺人で検挙された者のうち、同一罪名の有前科者つまり殺人の前科がある者の比率は2.8%でした。全体に占める有前科者の割合は36.3%です。
一般刑法犯総数においては、検挙された者のうち、前科なしは71.3%、有前科者は28.7%、有前科者のうち、同一罪名の有前科者は14.5%、同一罪名の前科が5犯以上の者は1.7%でした。

死刑は再犯を防ぐ確実な方法ではありますが、唯一の方法ではありません。終身刑の導入などによっても、再犯を防ぐことができます。より穏当に解決する手段があるなら、そちらを選ぶべきではないでしょうか。

誰が再び殺人を犯すか。過去の傾向から推し量ることもできますが、確実に予測することはできません。
全ての犯罪者が矯正可能とは思いませんが、だからといって、殺人に対して自動的に死刑を科すわけにはいきません。事件それぞれの事情を鑑みて裁判を行うのは当然のことです。

再犯に限らず、いかにして犯罪を防ぐか。法律だけで解決できる問題ではありません。
秩序の維持のためには警察とコミュニティが協力して取り組んでいくことが必要です。割れ窓理論などが主張するように、重大犯罪の罰則を強化するよりも、交通違反などの些細な犯罪をきちんと取り締まる方が効果的でしょう。